佐伯市ブランド流通課の職員は、佐伯市ブランド創造塾・佐伯人創造塾・大分県農商工連携人材養成塾などに参加をしています。今回の報告は・・・
10月24日(日)、農商工連携人材養成塾の現地研修会として、豊後大野市のピーマン、竹田市のトマト産地を訪ね、各選果場で農協の担当者から説明を受けた後、ほ場の見学をしました。
<ピーマン>
県下のピーマンは「大分ピーマン」の統一ブランドで全国に出荷されています。夏秋物としては、北海道・茨城県などに次ぐ産地となっています。
以下主な質問のやりとりです。
○規格外の商品をカット野菜にするなどの取り組みは?
●カット野菜としての購入価格が、集荷や配送費用に見合えば、カット野菜に回すことができるが、現実としては価格がなかなかあわない。全体量の2から3割は廃棄に回っているのではないか。また納入量が1回あたり1トン程度要求されることも障害となっている。
○品種は統一しているのか。
●大分県では約8割が「サラダ」という品種だ。熊本県では新品種への切り替えが急速に進んでいるようだ。
○露地栽培はあるのか。
●共販では(ピーマン部会)では、露地は対象としていない。露地の作柄は簡易のビニールハウスに比べると収穫量で5割程度で、品質面でも劣るようだ。
○完熟ピーマンの市場が今後伸びると言うことはないか?
●緑色のピーマンは花が咲いてから2週間で収穫できる。完熟(赤色)だと約40日、パブリカだと60日と言われている。回転を考えたとき、農家にとって実入りの多いのがどちらかということになる。
その他、担当者からは、①タバコの生産が縮小傾向にあること、②白菜やキャベツなど重量の重い物(収穫に骨折る物)については青田買いが結構見かけられるが、朝や夕方の人のいないときに、相当量の強いにおいの農薬が使われているようだ。
<トマト>
大分県では竹田市が主要な産地となっている。JAみどり竹田の範囲で100名の農家が、2,600tを生産している。出荷は6月下旬から1月までで、登記は暖房を使っている。7・8月の出荷量が多い。現在の出荷額は約6.5億で、以前は約10億あったが、これ以下や生産価格の伸び悩みなどもあり、減少している。小玉や赤く熟した物はケチャップやジュースになっている。出荷先は九州一円と大阪方面。
『トマトの品種』 品種は桃太郎が約7割だが、全国的には桃太郎の生産量は落ちている。歩留まりの良いリンカやミソラが伸びてきている。
『青取りトマト』 大半のトマトは緑から少し色が出た程度で収穫をするが、これは流通(仲卸)業者が望むからである。(収穫時は青くても消費者に届くときには赤くなる)農家はみんなおいしくて安全な物を届けたいと考えているが、結局は農家の収入がどうかと言うことが大切だ。
『赤取りトマト』 熟した赤取りトマトの生産を昨年から始め、イオンと相対で取引をしている。通常の場合より農家の手取りが大きくなる。赤取りは裂果などリスクも大きいが、今のところ大分県だけの取り組みで、今後も増やしていきたい。 通常の物はロボットで箱詰めをするが、赤取りはより丁寧に手でパック詰めをしている。赤取りトマトは日持ちが悪いと思っていたが、(冷蔵技術の改善等もあり)青取りより日持ちがすることが発見され、実は驚いている。リコピンやグルタミンも増加する。
『安全安心』 ほとんどの圃(ほ)場で有機肥料が使われているが、使い続けると段々できなくなる。化学肥料との組み合わせが有効だ。農薬の使用についても、発生を事前に予測し、発生前に使用する方が回数が少なくてすむ。発病後だと使用回数を増やしても効き目が弱い。農協では2年間寝かした有機肥料の使用を進めている。
『おいしい物を』 農家はみんなおいしくて安全な物を届けたいと考えている。
『農業離れ』 労働の厳しさより、農業の収入が低いことが農業離れを促進してきた。農家の高齢化は悩みだが、トマトは80歳を超えても生産ができる。今は農業学校などを卒業した人が、2から3年農家で実体験を踏み、その後自信が持てたら、行政が農地を斡旋するなどして、自立するというやり方もできるようになっている。
(write by 26.Oct.2010 田嶋隆虎)
10月24日(日)、農商工連携人材養成塾の現地研修会として、豊後大野市のピーマン、竹田市のトマト産地を訪ね、各選果場で農協の担当者から説明を受けた後、ほ場の見学をしました。
<ピーマン>
県下のピーマンは「大分ピーマン」の統一ブランドで全国に出荷されています。夏秋物としては、北海道・茨城県などに次ぐ産地となっています。
以下主な質問のやりとりです。
○規格外の商品をカット野菜にするなどの取り組みは?
●カット野菜としての購入価格が、集荷や配送費用に見合えば、カット野菜に回すことができるが、現実としては価格がなかなかあわない。全体量の2から3割は廃棄に回っているのではないか。また納入量が1回あたり1トン程度要求されることも障害となっている。
○品種は統一しているのか。
●大分県では約8割が「サラダ」という品種だ。熊本県では新品種への切り替えが急速に進んでいるようだ。
○露地栽培はあるのか。
●共販では(ピーマン部会)では、露地は対象としていない。露地の作柄は簡易のビニールハウスに比べると収穫量で5割程度で、品質面でも劣るようだ。
○完熟ピーマンの市場が今後伸びると言うことはないか?
●緑色のピーマンは花が咲いてから2週間で収穫できる。完熟(赤色)だと約40日、パブリカだと60日と言われている。回転を考えたとき、農家にとって実入りの多いのがどちらかということになる。
その他、担当者からは、①タバコの生産が縮小傾向にあること、②白菜やキャベツなど重量の重い物(収穫に骨折る物)については青田買いが結構見かけられるが、朝や夕方の人のいないときに、相当量の強いにおいの農薬が使われているようだ。
<トマト>
大分県では竹田市が主要な産地となっている。JAみどり竹田の範囲で100名の農家が、2,600tを生産している。出荷は6月下旬から1月までで、登記は暖房を使っている。7・8月の出荷量が多い。現在の出荷額は約6.5億で、以前は約10億あったが、これ以下や生産価格の伸び悩みなどもあり、減少している。小玉や赤く熟した物はケチャップやジュースになっている。出荷先は九州一円と大阪方面。
『トマトの品種』 品種は桃太郎が約7割だが、全国的には桃太郎の生産量は落ちている。歩留まりの良いリンカやミソラが伸びてきている。
『青取りトマト』 大半のトマトは緑から少し色が出た程度で収穫をするが、これは流通(仲卸)業者が望むからである。(収穫時は青くても消費者に届くときには赤くなる)農家はみんなおいしくて安全な物を届けたいと考えているが、結局は農家の収入がどうかと言うことが大切だ。
『赤取りトマト』 熟した赤取りトマトの生産を昨年から始め、イオンと相対で取引をしている。通常の場合より農家の手取りが大きくなる。赤取りは裂果などリスクも大きいが、今のところ大分県だけの取り組みで、今後も増やしていきたい。 通常の物はロボットで箱詰めをするが、赤取りはより丁寧に手でパック詰めをしている。赤取りトマトは日持ちが悪いと思っていたが、(冷蔵技術の改善等もあり)青取りより日持ちがすることが発見され、実は驚いている。リコピンやグルタミンも増加する。
『安全安心』 ほとんどの圃(ほ)場で有機肥料が使われているが、使い続けると段々できなくなる。化学肥料との組み合わせが有効だ。農薬の使用についても、発生を事前に予測し、発生前に使用する方が回数が少なくてすむ。発病後だと使用回数を増やしても効き目が弱い。農協では2年間寝かした有機肥料の使用を進めている。
『おいしい物を』 農家はみんなおいしくて安全な物を届けたいと考えている。
『農業離れ』 労働の厳しさより、農業の収入が低いことが農業離れを促進してきた。農家の高齢化は悩みだが、トマトは80歳を超えても生産ができる。今は農業学校などを卒業した人が、2から3年農家で実体験を踏み、その後自信が持てたら、行政が農地を斡旋するなどして、自立するというやり方もできるようになっている。
(write by 26.Oct.2010 田嶋隆虎)